飲食店にて頻度の高いクレーム5つの内容と解説~事前回避を心がける
前回の続編です。
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本日は飲食店ならではのクレームで、
比較的多い苦情について解説していきます。
以下にまとめました。
①料飲サービスの遅延
注文を受けてから提供するまでの間に時間がかかってしまい、お客様から
「時間に間に合わない」
「大事な用件に遅れた」
という苦情がよくあります。
料理や飲み物は注文後、何分でサービスしなければならないなど
お客様と取り決め(契約)しているわけではありません。
しかしながら実際にお店の手違いなどにより、はなはだしく遅れたために、
お客様にご迷惑をおかけしてしまった場合、非常にまれなケースですが
履行遅延として法的な対象となり得ることもあります。
そうならない為には、時間がかかる商品などは必ず注文時にその旨を伝えておくことが大切です。
また従業員やアルバイトにしっかりと教え込む、マニュアル化しておくなどの工夫が必要です。
②注文と現品の相違
「Aという料理を注文したがBをもってきた」
「いや、お客様はBとおっしゃいました」
というお客様と従業員(又はアルバイト)との水掛け論です。
この場合法的にはお客様に立証責任がありますが、
営業的にはお店側が弱い立場にあります。
こうしたトラブルを避けるために、
サービススタッフは必ず注文の復唱、確認を行う事が大切です。
また、食品サンプルやメニュー写真と実物の違いによる苦情については、
誰が見ても格差が大きいと
契約違反(お店側の債務不履行)となります。
ある程度までは主観の問題ですが、苦情が出てしまった場合お客様の言い分を聞き入れ
手直しするか、作り直す事が多いです。
③サービス中の粗相
サービススタッフがお客様の肩越しに差し出した、
醤油やドレッシングや飲料などが接触して衣服にかけてしまう事があります。
スタッフの不注意が原因の場合と、
お客様が急に体を動かすことによって起こりうる場合があります。
不注意が原因の場合、サービス側の過失として損害賠償の責任が生じます。
その為、お客様の意向を聞き入れた上で、
・お店側で洗濯(クリーニング)をしてお返しする
・お客様に洗濯をしてもらい、
こちらでその代金を負担する。
・洗濯しても汚れやシミが
落ちない場合はその分を金銭で補う。
などを行い弁償しなければいけません。
こぼれない器に入れる、サービススタッフの提供の仕方を改善するなどして未然に防ぎましょう。
④料理に異物の混入
異物混入とは、料理や飲料の中に毛髪や昆虫
また食器の破片が混じっているなどの事をいいます。
これに関してはすべてお店側の過失で、
当然もう一度作り直したり返金したりしなければいけません。
またお客様が食べた後に異物混入によって歯がかけたり
ガラス片で切るといった場合は、
治療費を負担することになります。
異物混入の発生件数が昨今まで減少しない理由のひとつには、
対応策がお客様へのお詫びなど直接的な対応に終始する結果、
本来しなければならない再発防止の検討に至らないため
繰り返してしまうことが多いです。
毎日食器の破損がないかをチェックする、
料理作成時、提供時に目視確認をするなどで
おきてしまわないように心がけることが大切です。
⑤食中毒
食中毒は対象物摂取後、すぐに症状が出るものから、
数日間潜伏した後に発生するものまで様々です。
いずれにしてもお客様からの要望に際し、
特に第一報は細心の注意を払って対応することが大切です。
これらの事故により飲食店に壊滅的なダメージを与える事例は数えきれません。
その為料飲スタッフは食品もとより職場環境を常に清潔に保つと共に、
常日頃から頻繁な手洗いの励行が不可欠です。